| 研修の基本方針 |
| 〜子どもの将来の「人間力」につながる学力向上をめざして〜 |
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| 現在、教職員による不祥事や不適格教員の問題等が厳しく指摘される中で、教職員の指導力等の向上とそれに伴う学校教育の充実を多くの市民が期待している。これらの課題に的確に対応し、市民から信頼される学校づくりを進めるために、一人ひとりの教職員がより一層専門性を高め、その力を最大限に発揮しながら、学校の組織力を高めることが益々重要になってきている。 |
| このように、指導力のある教職員による信頼される学校での子どもと先生とのふれあいこそが最も大切なことであり、児童生徒の成長にとって、大きな影響力をもつ教職員には、強い情熱と人間的な魅力、活力ある教育を実現していく「確かな力」が求められている。 |
| 市民の意識調査では、教育行政に関する期待として「教職員の資質向上のための研修の充実」が第一位(H17)となっており、保護者や地域に信頼される学校を創るには、組織的・計画的な
教職員への支援が必要である。 |
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| 1.国・県・市の教育改革の動向 |
| 平成17年10月、中央教育審議会は「新しい義務教育を創造する」(答申)をまとめ、新しい義務教育の姿と4つの戦略を示した。その戦略の1つに「教師に対する揺るぎない信頼の確立」を掲げている。さらに、平成18年7月には、信頼される・質の高い教師を育成するために、「教員養成・免許制度の在り方」についての答申が行われた。 |
| 一方、本県においては「平成19年度福岡県の教育施策」において、「子どもの夢実現のために」という副題を設置し、基本目標の達成に向けて6つの柱を立てている。その第1の柱に「確かな学力はぐくむ学校教育の充実」を掲げ、主要施策の一つとして「信頼される職員の確保と研修の充実」を挙げている。 |
| また、本市においても「久留米市教育改革プラン」を策定し、教育改革の5つの目標(約束)と3つの取り組みの視点を示した。その中で、「信頼される学校づくり、信頼される教師の育成」を約束し、教師の指導力の向上を目指す研修の仕組みづくりに向けて、教育センター設立などを重点施策としている。 |
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| 2.久留米市における教職員研修の目的 |
| 前述のように、市民に信頼される学校づくりを実現するために、学校は公教育としての使命を果たさなければならない。その「使命」とは、学校が校長を中心に組織として機能し、教職員は絶えず研鑚して指導力の向上に努め、子どもたちに「確かな学力」を育成することである。 |
| 学校現場では、学力向上の問題のほかにも、いじめ・不登校、軽度発達障害などの緊急に対応すべき課題も多い。特に、最大の課題となっている学力向上については、教職員の資質や指導力が重要な鍵であり、市民や保護者からも、「教えるプロ」としての使命感や能力の向上と自信に満ちた教育活動が求められている。また、開かれた学校づくりの視点から、保護者や地域も学校 経営に参画し、主体的な学校経営ができる新たな学校づくりのための教職員の意識改革が求められている。従って、新たに教育基本法に格上げされた教職員の研修について、その効果・成果の観点から従来の研修体系を大胆に見直し、市独自に充実を図るべきである。 |
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| 3.本市教職員研修の基本方針 |
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| 人間力を身につけた子どもを育て |
| 市民に信頼される学校づくりを実現するために、 |
| 教職員一人一人の能力と意欲の向上を図り、学校の教育力を高める。 |
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| 《求められる教職員像》 |
| (1)教育の専門家としての「確かな力量」 |
| 子ども理解力、学級づくりや授業づくりの力、事務処理の力など |
| (2)教職に対する「強い情熱」 |
| 教師の仕事に対する使命感や誇り、子どもに対する愛情や責任感など |
| (3)総合的な「人間力」 |
| 豊かな人間性や社会性、礼儀作法、対人関係能力、コミュニケーション能力など |
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| 教職は、子どもの可能性を開く創造的な職業であるため、教員には、常に研究と修養に努め、専門性の向上を図ることが求められている。また、学校教育の抱える課題が複雑・多様化する現在、教員には、最新の専門的知識や指導技術等を不断に身に付けようとする「学びの精神」がこれまで以上に強く求められている。 |
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| 4.本市教職員研修の方向 |
| 教職員研修の方向性を明らかにするため、「久留米の教職員に求められるもの」を、教職員の経験年数をもとにした「ライフステージに応じて求められるもの」とともに掲げる。 |
| (1)久留米の教職員に求められるもの |
| 教職員の専門性を向上させるにあたっては、一貫した研修の取り組みが必要であり、その取り組みの指針となるものとして、本市の教職員に何が求められ、何が期待されるのかを、まず明らかにする必要がある。そこで、『中教審が示した求められる教師像(「強い情熱」「確かな力量」「総合的な人間力」)』を参考にしながら、「本市教職員に求められること」について次のとおりまとめた。 |
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| @「分かる授業」を行い、児童生徒に「確かな学力」をつけることができること。 |
| 「分かる授業」を展開するためには、実態把握・教材分析・活動構成・指導技術等について |
| 授業実践を通して丁寧に検証していく姿勢が求められる。 |
| A 一人一人の児童生徒に対して、「愛情」と「誠意」を持って向き合うことができること。 |
| 児童生徒との間に信頼関係を築かなければ教育効果は上がらない。そのためにも、教師自身 |
| の「豊かなコミュニケーション力、人間関係力や確かな人権感覚」は不可欠である。 |
| B 豊かな人間性を持ち、教員としての「使命感や責任感」を持っていること。 |
| 学校教育に求められている役割や責任を認識し、教員としての自分を見つめ、常にその能力 |
| を向上しようとする「学びの精神」が必要である。 |
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| これらを具体的に考えてみると、次のようになる。 |
| @教員自身の『確かな授業力』によって、「分かる授業」→「確かな学力」が可能となる。 |
| 第1は、教科に関する高い専門性や知識を身につけることは勿論、それを実際の授業に生かし、児童生徒に確かな学力をつけさせることである。そのためには、児童生徒の発達段階や理解度をしっかりと把握し、それに応じて自らの専門性や知識をもとに指導計画を組み立て、教材や教具、指導方法を適切に選択したり、工夫したりすることが必要である。 |
| 第2は、一人一人の児童生徒の実態に応じた指導ができることである。児童生徒の学習に対する理解度や意欲、興味や関心などは様々であるが、教員には、すべての児童生徒に対して基礎的・基本的内容を確実に習得させる指導が求められる。そのためには、一斉指導を基本としながらも、一人一人の児童生徒に目を配り、理解度や意欲などに応じたきめ細かな指導が必要である。 |
第3は、児童生徒の興味や関心を高め、主体的な学習が進められることである。そのためには、児童生徒の学習意欲を向上させる必要があり、教材や指導方法の工夫などにより、授業を通して児童生徒が自らの成長を感じるなど、満足感や達成感を得られるような授業が求められる。
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| A教師自身の『豊かな人間性』によって、子どもへの「傾聴→共感→受容→愛情」が生まれる。 |
| 第1は、積極的に児童生徒に関わり、児童生徒の目線に立って物事を考えられることである。児童生徒の気持ちや考えを理解し、それを踏まえて児童生徒に対応することは、教員に求められる最も重要なことの1つである。そのためには、児童生徒と積極的に対話し、共に行動しながら、児童生徒が何を感じ、何を考え、何を悩んでいるのかをしっかりと理解し、共感しようとする姿勢が求められる。 |
| 第2は、一人一人の児童生徒の個性を尊重し、その良さや可能性を見つけ出し、伸ばせることである。児童生徒は、他者から認められることによっても大きく成長するものであり、教員には、自らの価値観のみに囚われることなく児童生徒と向き合い、その特長を伸ばしたり、潜在能力を引き出すことが重要である。一方で、正すべき点は厳正に指導するなど、一人一人の児童生徒の実態に応じて適切に指導することが求められる。 |
| 第3は、一人一人の児童生徒に公平・公正に接すること、すべての児童生徒を受け入れる心を持っていることである。児童生徒は、育ち方、考え方、自らの表現の仕方などが一人一人異なるが、誰でもひとりの人間として、公平・公正に接してほしいと願っている。教員には、一人一人の人格を尊重し、広い心を持って児童生徒に接することが求められる。これらの基盤として求められるのは、「子どもが好き」ということである。それを教育活動に結びつけるためには、子どもの特性や発達段階を十分に理解していること、さらに、後述する豊かな人間性、教員としての使命感や責任感を持っていることが肝要である。 |
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| B教員自身の『常に学ぶ姿勢』によって、教育活動への「使命感や責任感」が自覚できる。 |
| 第1は、教員である前にひとりの人間、社会人としての常識や良識、幅広い教養を身につけ、高い倫理観を持っていることである。社会の変化や教育を取り巻く環境の変化が大きい今日では学校教育が社会に対してどのような役割を担っているのかを認識することが大切である。そのためには、社会に広く目を向けるとともに、開かれた学校づくりを進める中で、児童生徒や保護者、地域社会が学校教育に何を求めているのかを積極的に見出すことが重要である。 |
| 第2は、教員の役割や責任を認識し、強い自覚と誇りをもって教育活動にあたることである。教員は、児童生徒という将来を担う人材を育て、その人格形成や生き方に影響を与える存在である。そのため、教員として児童生徒に何を教え、伝え、どう育てていけばいいのか、また、教員という立場にはどのようなことが求められているのかを自覚した上で、日々の教育活動にあたることが求められる。具体的には
@子どもの「育ち」の姿 A子どもの安全確保などに対する責任が考えられる。 |
| 第3は、教員としての自己を振り返りながら、常に自らの能力を向上させようと努力することである。そのためには、教員として目指すべきビジョンを持つとともに、日々の教育活動を振り返り、よりよい方法や考え方がないのか、自分に不足している点は何かなどを常に考え、研修を通して課題克服に向け積極的に改善していく姿勢が求められる。 |
| 以上、求められる教師像について述べてきたが、特に、本市の学校教育に、「次代の久留米の将来を担う子どもを育成する」役割があることを考れば、まずは教員自身が、本市の風土や歴史文化に深い愛着を持ち、郷土のよさをしっかり受けとめながら久留米で生きることに喜びや誇りを持つ子どもを育てることが強く求められる。 |
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| (2)ライフステージに応じて求められるもの |
| 「久留米の教職員に求められるもの」は、本市のすべての教員に求められるものである。しかし、教員の資質能力は、日々の教育活動を通した児童生徒、保護者、地域社会、同僚教員との関わりの中で向上していくものであり、経験年数を積むにつれて、求められるものの水準も高くなったり、新たな側面が加わったりしていく。従って、経験年数によって教員のライフステージを分け、それぞれの段階で教員に求められるものについて検討しなければならない。 |
久留米市教育センターの研修体系の特徴は、基本研修において、経験段階を「初期・中期・後期」の3段階に発展させ、初任者、経験1・2年・10年、主任主事等の中堅・管理職というような経験年数と職能に応じて、各教職員が主体的に研修を進めていけるような研修体系を確立していることである。さらに、その3段階のライフステージを次の5期に分けた(資料T)。
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